SciFinder ユーザーインタビュー

情報インフラだけは地方でも負けないものを用意すべき
  • 尾野村先生と濱口典久さん
    尾野村先生と濱口典久さん
    臨床で働くより,研究者を目指したいと医療系専門学校から大学に入り直したという濱口さん.「一人の患者さんを救うのも大切だけど,医薬品開発に携わって一度に多くの人を救えたら素晴らしい」と考えたそう.
  • JAICI:研究室ではSciFinderをどのようにお使いいただいていますか.
  • 尾野村先生:私たちの研究には欠かせないので,全員使っています.使い方は,先輩から代々教わっているようです.時々講習会をしていただけると,自己流が矯正されて検索効率もよくなると思います.
  • 濱口さん(博士後期課程2年):SciFinderはないと困りますね.反応情報に実験項がついているのがとても便利です.また,得られた化合物の絶対配置を決めなければならないときがよくあるのですが,論文まで見なくても旋光度や融点などすぐ確認できるので助かります.SciFinderの物性情報が豊富になってよかったです.
  • JAICI:企業と大学では情報検索に関する考え方は異なりますか.
  • 尾野村先生:企業での情報調査に比べたら,大学での情報調査は網羅的ではないですね.企業が特許を出すときは知財担当者が1カ月くらいかけて調べていましたし,研究開始時にターゲットを決めるにも,綿密に調査していました.企業では製品化の実現性が高いところにコストをかけられるよう,網羅的に情報を調査して製品化のチャンスがあるところを探し,そこを目がけて集中的に研究します.
    一方,大学の研究は一連の流れによる成果の蓄積からオリジナリティを出していくことが大切ですので,研究テーマ決定には研究者の感覚が重要で,情報調査は研究の要所でスポット的に行う,という違いがあると思います.
    地方大学は都市部の大学に比べたらインフラ的なものはどうしても不足がちですが,SciFinderなどの情報インフラだけは,しっかり用意すべきだと考えています.大型機器の購入に比べたらはるかに安いコストで,世界中のどの大学とも同じ情報を入手できるようになるのですから.
  • SciFinderの物性情報
    SciFinder の物性情報
  • JAICI:本日はどうもありがとうございました.

  • 略歴

    写真,尾野村先生

    尾野村 治 (おのむら おさむ) 先生

    略歴:愛媛県生まれ.1983年京都大学工学部合成化学科卒業(吉田善一教授).1988年京都大学大学院工学研究科博士後期課程合成化学専攻研究指導認定退学(庄野達哉教授).1990年京都大学工学博士.ダイセル化学工業株式会社にて総合研究所研究員,筑波研究所主任研究員として医薬品開発に携わった後,1998年長崎大学薬学部助教授に就任.2001年仏CNRS客員研究員(リヨン第一大学:Maurice Medebielle 博士),2002年長崎大学大学院医歯薬学総合研究科助教授を経て2008年同教授に就任,現在に至る.2001年度日本薬学会九州支部学術奨励賞「光学活性アミノ酸を利用した革新的分子変換」,2009年 Tetrahedron Letters Most Cited Paper 2006-2009 Award 受賞.


    研究室ウェブサイト
    http://www.ph.nagasaki-u.ac.jp/lab/synchem/index-j.html