SciFinder ユーザーインタビュー

2014年12月掲載 

小さな情報から新しい発見が生まれる
情報とは研究者のライフライン


信州大学大学院 総合工学系研究科生物機能・ファイバー工学専攻 スマート材料工学講座 
太田 和親 教授

太田教授写真

信州大学繊維学部図書館長の太田先生に,大学図書館における情報インフラ整備の重要性について伺いました.
日本で唯一の繊維学部として,誇りを持って邁進する

  • JAICI:信州大学繊維学部の歴史について教えてください.
  • 太田先生:信州大学繊維学部は,明治43年に明治政府が設立した旧制専門学校のひとつである上田蚕糸専門学校を母体として歴史が始まっています.当時の専門学校は,フランスの「グランゼコール」のような,今でいう単科大学のような存在でした.繊維業が盛んだった時代には「繊維」の名のつく学部学科も多くありましたが,現在は本学が唯一,この名を守り,現代のファイバー工学を牽引すべく研究を推進しています.
    2010年に創立100周年記念を迎えた際,開学以来あるレンガ造りの旧貯繭庫(ちょけんこ/カイコのまゆの保存倉庫)をリニューアルして,繊維学部の資料館にすることになりました.そこでいろいろと昔の資料を探していたところ,上田蚕糸専門学校時代に授業で使われていた掛け軸がたくさん出てきました.現在はパワーポイントなどを使って学生に図の説明などを行いますが,当時は掛け軸に解剖図などを書き,それを授業に使っていたのです.当時の授業は英語で行われたそうで,説明文は英語で書かれています.下の方をみると「Ueda Imperial College」と書かれており,上田蚕糸専門学校が帝国単科大学と見なされていたことがわかります.このほかカイコの模型や,養蚕関係の図書,錦絵など貴重な資料を展示しています.
  • カイコの解剖図 空白 繊維学部資料館内
    繊維学部資料館内の展示品
    カイコの解剖図
    開学当時に使われていたカイコの解剖図の掛け軸(左)と下部拡大図(右)


  • JAICI:キャンパス内には歴史ある建物が多くあるのですね.
  • 太田先生:はい.昭和4年に建てられた繊維学部講堂は登録有形文化財となっています.今でもここで卒業式を行っています.映画やドラマの撮影などにも使われています.
    上田蚕糸専門学校の初代校長,針塚長太郎先生は明治天皇の勅令により赴任して,28年間もの間,校長をお勤めになりました.学内にも銅像があり,当時から非常に立派な先生として,学内だけでなく,学校周辺の市民の皆さんにも慕われていたと聞いています. 歴代の先生方のこうした功績を感じながら学べる環境は,学生たちにとっても誇りになっていると思います.
  • 繊維学部講堂 繊維学部講堂
    登録有形文化財となっている繊維学部講堂