SciFinder ユーザーインタビュー

文化遺産級の化合物データベースを使わない手はない

 便利な使い方を教えてください.

化合物に関する文献検索では,MEDLINE より CAplus を使う方がはるかに多くヒットします.例えば,出芽酵母を実験で使っている人には,馴染みのペプチド alpha-factor (α-factor) で検索してみるとこのとおりです.

図1


CAplus では検索の際に Document Type を選択できますが,私はいつも patentとconference にチェックを入れて使っています.特許文献を調べるのに,国ごとのデータベースを探すのは大変ですが, SciFinder なら一括で世界 57 の特許発行機関からの特許を調べられるので便利です.癌抑制遺伝子 p53 の翻訳後修飾について調べる際など役立ちました.また, conference で,まだ論文になっていない学会発表のみの情報が拾えることがあるのも魅力です.他のデータベースではこのような情報がないので,研究の新規性を広く調べたいときなどに重宝しています.

図2


一番利用するのは REGISTRY (化学物質データベース) です.化合物の情報がここまで網羅されているものはほかにありません.1907 年から現在までの化合物が収録され,毎日更新され続けているこのデータベースは文化遺産ともいえます.プロトコルを作る人,メソッドの見直しをする人にはぜひおすすめしたいですね.
REGISTRY で類似性構造検索をすれば,近い構造の化合物がリストアップされます.例えばアクチン重合阻害剤 Latrunculin A の場合,リストの中の分子の形が似たものは同様の働きをする可能性があるので,これらについて薬効をスクリーニングすることで, Latrunculin A よりも優れた阻害剤ができるかしれない,こうした発想に至ることができるツールです.試薬を試薬としてしか見なければそこまでですが,そこを超えたところに新しい発見の可能性があります.

図3