SciFinder ユーザーインタビュー

REGISTRY (化学物質データベース) では物質の MS,NMR,IR スペクトルが載っているので,私はタンパク質の質量分析解析をする際に,ノイズピークの帰属に使ったりしています.例えば,化学修飾の検討をする際に,このピークがタンパク質修飾由来のものなのか,マトリックスやその他の夾雑物に由来するのかを見極めるのに役立ちました.

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そのほか試薬メーカーのカタログが網羅されている CHEMCATS も使います.論文に掲載されているものと同じ試薬が使いたいとき,日本ではどこで扱っているのか調べやすいですし,これをプリントアウトして,同様の試薬を探してほしいと業者に頼むときにも便利です.定期的に更新してくれているので信頼して使っています.

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 今後の利用シーンとしてどんなことを望まれていますか

SciFinder は学生の教育用にも適していると思います.私は「プロトコルの原理まで理解するように」と恩師から言われて育ちました.その恩返しに,若い世代の院生たちに何が伝えられるかな,とよく考えます.
データベースの活用法は好みもあると思いますが,実践的には,例えば日々実験に使う試薬を REGISTRY で調べてみるだけでも,何年ごろからその試薬が使われるようになり,誰がそのプロトコルを開拓したのか,という様にメソッドの歴史的背景まで見通すことができますし,私はそういう使い方が好きですね.
今はまだ,生化学の領域で物質を化合物まで戻って調べて考える人は少なく, SciFinder のようなツールまで使って調べられるか否かで情報格差が生まれています.ぜひ生化学,分子生物学,遺伝学等の領域の方々にも,こうしたツールを上手く使って自分の武器にし,研究を発展させていただければと思います.


写真、藤井健吉先生 藤井 健吉先生

略歴:札幌出身.北海道大学理学部高分子機能学教室,理化学研究所,北海道大学遺伝子病制御研究所分子間情報分野を経て,現職.研究テーマは新規タンパク質翻訳後修飾のプロテオミクス解析,細胞極性を制御するタンパク質分解機構の解析.