SciFinder ユーザーインタビュー

2009 年 9 月掲載 

高分子分野にとっても欠かせないアイテム 新規性をいち早く見極めるために

長岡技術科学大学 工学部 物質・材料系 准教授 河原成元先生(右) 助教 山本祥正先生(左)

写真、藤井先生
天然ゴムを解明し,未来を担うカーボンニュートラル原料へ

  • JAICI:ご専門の分野を教えてください
  • 河原先生:私たちは天然ゴムの川上から川下までを研究対象にしています.
    天然ゴムは合成ゴムでは代替のできない優れた物性を示しますが,それは,主成分である cis-1,4-ポリイソプレンの末端に結合している微量物質の役割によることがわかってきています.ところがその構造を完全に解明することが,研究を開始して以来40年以上経つにも関わらず,いまだできていません.末端部分は重量平均でいうと2万個に1個という希薄な存在であり,さらに架橋していて動かないため,非常に検出が困難なのです.そこで私たちはラテックス NMR 法という新たな検出法を提案しています.最近,磁場勾配高速マジックアングルスピニング固体 NMR 法を用いた末端構造の検出についても発表をしたところです.
    ゴムの木
    研究用に栽培しているゴムの木
    河原先生と山本先生とゴムの木
    また,天然ゴムは今,化石資源を代替するカーボンニュートラルな天然原料として注目されています.ポリイソプレンが有機材料の合成に適した構造をしているためです.ところが,天然物は副反応を起こすたんぱく質などの不純物を含んでおり,そのままでは化学的な利用ができません.そこで私たちは,尿素を用いて迅速かつ高純度に精製する技術を考案し,これが,天然ゴムの工業利用への可能性を大きく広げるきっかけとなりました.今,脱たんぱく質化した天然ゴムを原料に,さまざまな機能性有機材料を合成する研究を進めています.

高分子分野にとっても SciFinder 検索はスタンダード

  • JAICI:SciFinder はどのようなときに利用されていますか?
  • 河原先生:われわれ有機材料科学に携わる者にとっては,なくてはならないものですね.情報検索はほぼすべて SciFinder で行っています.ほかの検索ツールを使ってみたこともありますが情報が足りませんでしたね.これ以上に有機分野の情報を網羅したものはありませんから,皆さん使っておられるのではないでしょうか?
    学生にとっても修士論文を書くのに必須なので,引き継ぎ実験の際に, SciFinder の使い方も先輩から後輩へ必ず教えることになっています.
  • 山本先生:有機合成を行う際には,それが新規の化合物なのか否かを必ず調べなければなりません. SciFinder でヒットしなければ,新規性があると判断しています.
    合成方法を調べるにあたっても,反応式検索でボタンをポンと押すだけでさまざまな方法が出てくるので,手のつけられそうなものから実験を進めていけばいいわけですから,非常に便利ですね.
  • JAICI:高分子を構造式で探すのは SciFinder では難しい面もあるのでは,と思うのですがいかがですか?
  • 山本先生:反応式検索を使うのは主に低分子やモノマーです.高分子やゴムに関してはキーワードで探しています.今のところ SciFinder 以上に便利なものを使ったことがないので,特に不便を感じたことはないですね.
  • JAICI:ありがとうございます. SciFinder は検索のプロではない方でも,一通りの調査がすぐにできるという点で大変優れております.「学術論文分野」では SciFinder で適切な検索をおこなえば新規性の判断に活用していただけます.もちろん最終的な特許の新規性の判断には,専門家の意見も仰ぐことをおすすめします.
画面キャプチャー
「 Natural Rubber 」 の検索結果
学生と先生
学生一人ひとりにとっても必須のアイテム