SciFinder ユーザーインタビュー

2010 年 2 月掲載 

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独立行政法人 物質・材料研究機構 ナノ有機センター ナノアーキテクチャーグループ
NIMS ポスドク研究員 磯崎勝弘先生

写真、磯崎先生
ペプチドと DNA を組み合わせた新しい自己組織化系を創出

 ご専門の分野を教えてください

私が今,個人のテーマとして取り組んでいるのは,有機合成化学と超分子化学を組み合わせて,機能性材料を創出する研究です.ペプチドや DNA などの生体分子は非常に精密な自己組織化システムを持っていますが,これらの特性を人工系に組み込むことで,新たな自己組織化系を生み出すことができます.
自己組織化については多くの方が取り組まれていて,ひとつの分子を自己集合させる例はよくあるのですが,私は,異種の分子がそれぞれの場所を認識し,かつ自己組織化してくれるようなプロセスを作っていこうとしています.ペプチドの構造形成能と DNA の認識能をうまく組み合わせた分子を作り,パターニングや三次元上の構造などを作って,そこにいろいろな機能をミックスするのです.それぞれに異なる機能を持った複数の分子がお互いを認識しながら,設計どおり自主的に構造を作っていくような系が作れれば,おもしろい材料ができるのではないかと考えています.
DNA だけなら,違う分子を認識して自己組織化する例がありますが, DNA 分子は大きいので,化学の人間としては,もっと小さく制御できるものを目指したいと思っています.今扱っているものは,ペプチド鎖に核酸塩基構造を組み込んだもので,アミノ酸を基板にくっつけながら並べることができます.



自己組織化関連の図

自己組織化関連の図

また,グループとしては,普通の光の回折限界を超えられるとして注目を集めている近接場光の研究に力を入れています.
国の特定領域研究の「光 - 分子強結合場」にもグループリーダーと共に入って行っているテーマで,自己組織化を利用した金属ナノ粒子 2 次元アレイを反応場とし,微細加工技術を利用したマイクロ流路に組み込んだツールを作って,光反応効率の定量化を実現しようとしています.



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光化学の実験室にて,作った基板で近接場光を測定