SciFinder ユーザーインタビュー

化学ポータルサイト運営で広げたい新たな未来

 先生は化学ポータルサイト「Chem-Station」を運営していらっしゃいます.立ち 上げられた経緯を教えてください.

Chem-Station の画面キャプチャ大学3 年のときにゼミで勉強した人名反応に非常に興味を惹かれまして,友人と,データベースを作ってWeb で公開しようと考えたのが始まりです.創設から10 年経ち,今では執筆スタッフもおよそ35 名,コンテンツも増えて,多くの方がご覧になるWeb サイトに成長しました.つい最近まで主宰していることを公表していなかったので,目の前で学生が記事のコピーを持っていたり,他の先生方が話題にしていたりすると,密かにうれしく思っていました.有機化学の人名反応を検索できる「ODOOS(有機合成反応データベース)」や,化学者の日常をブログ形式でつづる「化学者のつぶやき」といった記事が人気です.
当初は友人と二人だけだったのでなかなか更新ができなかったのですが,2 年ほど前からスタッフの公募を始め,システムも各自でアップしやすいCMS を導入したことで,更新頻度も高まりPV(ページビュー)も上がってきました.執筆者は企業の研究者から大学の研究員,学生まで多様で,自分の研究や考えについて公開されています.現役の化学者たちが運営、記事を執筆しているサイトはほとんど存在しないので,読者にとっては自分の化学や他分野の化学の最新情報を仕入れるための絶好の場であると考えています.

写真、山口先生と林先生私が研究者として歩もうと決めたのは,東京理科大で生物活性天然物の全合成をしていたころの林雄二郎先生との出会いがきっかけです.先生が「これができればすごいぞ」「世界が驚くかもしれない」と,常に研究にピュアな情熱を傾けられている姿が本当に楽しそうで,これは企業に就職するよりずっとおもしろそうだと感じました.
人を動かすには情熱が大切です.私も「化学が好き」という思いを学生たちに伝えられる存在でありたい.「Chem-Station」が,これから化学の世界に進もうとする若い人たちにとって刺激になり,興味を広げるきっかけになってくれればと願っています.そして,化学に携わる人もそうでない人も所属を超えて気軽に集まり,化学について語り合える場として,今後さらに発展していくよう努めるつもりです.