SciFinder ユーザーインタビュー

教養とは"正しく疑う力"

  • JAICI:大学 4 年および大学院の年度初めに行うガイダンスの一環として,化学情報協会による SciFinder の利用講習会を企画されています.学生への教育と SciFinder について,先生のお考えをお聞かせいただけますか.
  • 大庭先生の講義風景
  • 大庭先生:大学は,社会に出てから必要となる教養を身につける場だといわれます.その教養とは,私は"正しく疑う力"だと考えています.

    世界中から様々な情報が発信されていますが,それをそのまま信じ切るのは,よい受け取り方とはいえません.批判的にものごとを見て,自分の力でそれを吟味し,自分にとっての判断を下せるようになること.研究論文を読むときだけでなく,日ごろ目にするニュースに対しても一歩踏み込んで考え理解しようとする力をつけてほしい.大学における専門教育では,専門知識を学ぶトレーニングの中で,社会で求められる「考える能力」も一緒に身につけていくことが,非常に重要だと思います.

    SciFinder は,その教材として非常に適したツールです.SciFinder で検索すると,様々な情報が得られるだけでなく,他のデータベースにはない深い広がり,つながりを体験することができますし,調べ方も多彩です.自分の欲しい情報を探し出すためには,どのように情報にアクセスし,吟味すべきかを学ぶとてもよいトレーニングになると考えています.

    大庭先生 研究者としても SciFinder は重要なツールです.学生には就職後も仕事を進めるための重要な情報源として,ぜひ使えるようになってほしいものです.SciFinder で調べるのは研究者としての基本的な態度であることを理解し,自立して研究できるように教育する必要があると思っています.
    また SciFinder は,決して有機化学者に限ったツールではなく,電気電子分野で電子材料を調べたり,建築分野でコンクリート材料を調べるなど,様々な研究分野においても有用な情報源です.少しでも SciFinder を使えるようになれば,情報検索の間口を広げることができるので,ぜひ多くの学生にアクセスしてほしいと願っています.

    学生の将来に繋がるであろうこうした"きっかけ"を提供していくことが,私たち教員の仕事の一つだろうと思います.