SciFinder ユーザーインタビュー

"化学の研究ができる大学"という価値を守るための SciFinder

  • JAICI: 2012 年に,宇都宮大学では大学全額負担による無制限アクセスプランへ移行されました.今回の移行に至った経緯をお話しいただけますか.
  • 大庭先生: 7 年ほど前,国立大学法人化の流れで交付金が減ったことに加え,洋雑誌の価格高騰があり,宇都宮大学の図書館では,雑誌購読の整理を検討することになりました.
    既に SciFinder が登場していたので,私たちも CA on CD (Chemical Abstracts の CD 版) から切り替えることにしたのですが,当初は図書館からの出資は得られず,化学系の教員による全額負担で導入することを決めました.その背景にあったのは,「Chemical Abstracts (SciFinder) の情報にアクセスできなくなったら,宇都宮大学は化学の研究ができる大学ではなくなる」という危機感です.SciFinder がこの大学の学生にとって必要であり,大学の価値を守るために譲れないものだという強い思いを教員間で共有し,利用環境を維持してきたのです.
    同時アクセス数は限られていましたが,費用負担をしていない学科の学生でも希望があれば使用できるようにしていました.負担の有無にこだわらず,研究に役立ててもらうことが,たくさんの方からご理解をいただく上で大切だとの考えからです.
  • SciFinder 移行状況
  • 今回,大学の全額負担によって無制限アクセスプランに移行することができ,本当にありがたかったです.これまで協力してくださった先生方のご理解と努力によって,この大学にとっていかに SciFinder が必要であるかということが認められたのだと思います.
    決め手となったのは,利用者が限定されない点でした.無制限アクセスプランによって学内の誰もがいつでも利用することができるのであれば,化学系教員だけのものではないということです.


  • 様々な分野への可能性を広げる,無制限アクセスプラン

  • 無制限アクセスプランになって,よかったことを教えてください.
  • 大庭先生と学生

  • 福住さん:研究活動において SciFinder は欠かせないのですが,昨年までは同時アクセス数が制限されていたために遠慮して使わなかったり,早く使おうと焦って検索がうまくいかなかったりすることがありました.後輩が使い方に慣れなかったのも,試しに使ってみたり,時間に余裕を持った検索がしづらかったりしたのが,理由ではないかと思います.今はもうアクセス制限がありませんので,いい意味で遊んでみたり,新しい機能を試してみたりできると思います.
  • 大庭先生:私も遠慮せずに使えるようになりました.他学部他学科の方にも臆せず薦められます.無制限アクセスプランになってから大学全体の利用回数がかなり増えたようですが,もっと認知を広げていきたいと思っています.SciFinder によって今まで出てこなかった情報が見つかることでしょう.

    私たちの大学では,こんな二次情報データベースが利用できる,ということを理解していただき,多くの学生たちにすばらしいきっかけを提供できれば,うれしく思います.

  • 略歴

    写真,大庭先生

    大庭 亨 先生

    専門分野は生物有機化学,超分子化学.1996 年に東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻博士課程修了 (渡辺 正 教授).立命館大学理工学部助手,宇都宮大学工学部助手,岡崎国立共同研究機構分子科学研究所助手を経て,2005 年 4 月に宇都宮大学工学部助教授,現在宇都宮大学大学院工学研究科准教授.

    超分子化学研究室ホームページ
    http://www.chem.utsunomiya-u.ac.jp/lab/yuuki2/