採用情報 ― 情報分析部 ― Q & A

Q
CAS データベースとはどのようなものですか?
A
米国化学会の情報部門である Chemical Abstracts Service (CAS) が作成している科学技術分野のデータベースで,文献検索に使用される CAplus/CA ファイル,化学物質検索に使用される REGISTRY ファイル,反応検索に使用される CASREACT ファイル,可変グループを持つ一般構造 (Markush 構造) 検索に使用される MARPAT ファイルなどがあります.
これらのファイルは世界中の化学,医薬,生化学,高分子,物理,工学等の分野の学術論文や特許情報を広範に網羅しており,オンライン情報サービス STN で利用することができます.このサービスは主に情報担当者向けですが,研究者向けのオンライン検索サービスとしては SciFinder があります.

http://www.jaici.or.jp/stn/index.php (STN とは)
http://www.jaici.or.jp/SCIFINDER/index.php (SciFinder とは)

Q
CAS データベースの文献検索における索引とはどのようなものですか?
A
学術論文や特許に記述されている重要な事物で,その文献を特徴づけるものです.具体的には,化学物質,反応名,用途,プロセス,性質,病名,薬理作用,動植物名,微生物名などで,科学現象に関わるあらゆるものが対象となっています.その索引を検索することにより,求めている文献を効率よく探し出すことが出来ます.例えば,鈴木カップリング反応触媒に興味がある場合,Suzuki coupling reaction catalysts を検索すれば,それが重要項目として記載されている文献を正確に,迅速に探し出すことができます.索引は,検索者とその検索者が求めている文献とを結びつけるもので,とても重要な役割を果たしています.
Q
CAS データベースのための索引と英文抄録の作成は,誰が行っているのでしょうか?
A
化学の知識を有する専門家が作成しています.その専門家は「ドキュメントアナリスト(以下アナリスト)」と呼ばれ,学術論文や特許を読み,理解し,索引を付与,必要に応じて英文抄録を作成しています.
Q
情報分析部のアナリストは,具体的にはどんな作業をしていますか?
A
情報分析部のアナリストは,日本語の特許を一件ずつ丁寧に解析して,重要な物質などを索引しています.この際に,物質ごとにそれぞれ適切な付随情報も合わせて索引します.「ロール(役割子)」という付随情報は,例えばその物質が原料なのか,生成物なのか,試薬なのかを区別する事ができるようにするためのもので,合成方法の検索を可能にします.
また,特許に英文抄録がない場合,アナリストは英文抄録も作成します.これにより,世界の研究者や情報担当者が文献検索をしてその内容を簡潔に知ることができます.アナリストの仕事は,まさに,文献を分析する仕事です.そして,その文献が検索者にとって本当に求めているものかどうかを判断する材料を提供しています.
Q
このような,索引や英文抄録の作成という作業を機械で行わないのは何故ですか?
A
特許に書かれている情報には,著者によりさまざまな表現の違いがあります.また特許では,権利を広く請求するために,請求項には一般的な表現しか使われていないことも多く,詳細な説明の部分を精読しないと発明の核心がつかめないものもあります.このような曖昧さを残したままデータベース化してしまうと,検索の際に大きなノイズや漏れが生じてしまいます.このような曖昧さをなるべく回避して核心をついた索引や抄録を作成するためには,現在のところアナリストによる精読が不可欠です.
Q
アナリストが抄録や索引を作成する時には,文献をくまなく全部読んでいるのですか?とても時間がかかるのでは?
A
慣れないうちはくまなく読む必要があり,時間がかかります.ベテランになってくると,どこに重要な事が書いてあるかわかるようになり,また重要かどうかを判断する時間も短くなってきます.しかし重要なことを漏れなく索引や抄録に反映する,ということにはやはり細心の注意を払っています.
Q
情報分析部のアナリストは,どのようなバックグラウンドを持っていますか?
A
大学や大学院で理学・薬学・工学・農学などを専攻した人が多いです.卒業直後入社した人も,企業などで数年実務経験を積んだ人もいます.
Q
アナリストになるために,どのような知識が必要ですか?大学(院)で学んだ知識は,どの程度活かされますか?
A
基本的な有機化学の知識と英語力(専門文献の文書読解・作成ができるレベル)が不可欠です.CAS データベースでは生物化学・有機化学・応用化学・物理化学・無機化学・分析化学といった広い分野をカバーしていますので,自分の専門以外の領域の仕事も行う必要があります.大学(院)で身に着けた自分のバックグラウンドを武器に,協会に入ってから新たに専門以外の化学的知識を柔軟に幅広く学んでいき,仕事に役立てたいという人にはぴったりです.
Q
専門以外の化学的知識を広げるためには,どのようなことをしていますか?
A
仕事上で文献を毎日読み,わからないことを自分で資料を調べるほか,部内のエキスパート(先輩)に聞いて理解を広げるとともに,予備知識を得るために,または新しい領域の情報入手を目的として,外部のセミナーや勉強会に参加して自己啓発に努めています.
Q
入社後,アナリストになる人は,どのような新人生活を送りますか?
A
入社後約半年間はトレーニング期間とし,CAS の方針に従い英文抄録,索引を作成できるよう先輩スタッフのもとで勉強します.その後も CAS や先輩スタッフのサポートを受けながら,徐々に独力で仕事を完結できるようになります.
Q
出張や外勤はありますか?
A
あまり多くはありませんが,外部のセミナーや勉強会・展示会などに参加する機会があります.