CSD-Core (ケンブリッジ結晶構造データベース) 概要
概要・収録内容
CSD-Core (ケンブリッジ結晶構造データベース) の概要
The Cambridge Structural Database製作 | ケンブリッジ結晶学データセンター (The Cambridge Crystallographic Data Centre : CCDC,英) |
内容 | 化合物の名称・分子式,二次元構造図,結合表,三次元原子座標,結晶学データ,書誌事項,実験条件 |
件数 | 116 万件 (1965~) (2021 年 12 月現在) |
更新 | データ追加 7 万件/年 (前年比実績), 年 3, 4 回追加データ・ソフトをダウンロード |
頒布形態 | ダウンロード(オプションでUSBメモリー) |
使用可能機種 | Windows 10 and 11 (Intel compatible, 64-bit) Linux (Intel compatible, 64-bit) - RedHat Enterprise 7.6 or higher and 8 - CentOS 7.6 or higher - CentOS Stream 8 - Ubuntu LTS 18 and 20 macOS (Intel compatible or Apple ARM, 64-bit) - macOS 10.15, 11 and 12 ディスクスペース:24 GB [なお,一部アプリケーションについては,上記以外の制限あり.詳細はお問い合わせください] |
契約形態 | 年間定額 |
CSD 2021.3の強化点 (2021年12月リリース)
- 新しいSubsetの追加 (Electron Diffraction, Polymorphs, Hydrates, High Pressure).
- MercuryからのSubsetへのナビゲーション改良.
- CSD Python APIでのSubset利用の改善.
- Mercury/CSD Python APIでのSMARTS/SMILES利用の改善.
- MercuryでのStructure Editingの改良 (共有結合距離の編集可能).
- Licence Portalの設置 (Licence期限やActivation数の確認,Off-line登録が可能).
機能紹介
CSD-Core (ケンブリッジ結晶構造データベース) の構成
(以下から構成されるパッケージとして提供)
ConQuest: CSD-Core を検索・表示するためのソフト
Mercury: 結晶構造表示およびジオメトリーを始めとする検索結果を統計処理するソフト
Hermes: 生体高分子の結晶構造表示ソフト
IsoStar: Knowledge base の分子間相互作用のデータベース
Mogul: Knowledge base の分子内ジオメトリーのデータベース
WebCSD: Web インターフェースで CSD のデータを簡易的に検索 (1D/2D検索のみ)
CSD-Editor: In-house database を CSD フォーマットに変換するためのソフトウエア (オプションですので個別にご相談ください)
CSD Python API: script を書くことで自在な検索やワークフローを構築
Pipeline Pilot Component: 1D/2D検索,部分構造検索,類似性検索ほか
KNIME Component: 1D/2D検索,部分構造検索,類似性検索ほか
ConQuest
ConQuest は,ケンブリッジ結晶構造データベース (CSD-Core) の検索用プログラムです.各種テキスト・数値検索の他,下記のような構造検索機能が備わっています.
- 部分構造検索
- 分子内ジオメトリー情報による検索
- 分子間非結合接触の検索
- Pharmacophore 検索
ConQuest の特徴:
- 使い易い化学構造作図機能および幾何学的パラメータの定義機能
- 検索質問式の簡単な組み立て機能
- 検索実行中も可能な,検索結果の会話型ブラウジング
- 各種の出力ファイル形式 (CIF, PDB, SDF, MOL2, SHELX等)


Mercury
Mercury は,結晶構造を表示するのに最適なソフトです.対称操作に基づき,簡単にパッキングが表示でき,分子間相互作用を表示することも可能です.CIF, PDB, MOL2, MOL file といった一般的なフォーマットに対応しています.機能を制限した version は,無料でお使いいただけます.


Mercury の拡張機能として統計解析も可能です.ConQuest で 3D パラメータを定義すると,検索時に該当するジオメトリー検索が Mercury に読み込まれます.ヒストグラム,分布図,ポーラプロットを作成することができ,成分分析や相関解析を行うことができます.


Hermes
Hermes は,蛋白質などの生体高分子の立体構造を可視化・解析するソフトです.結晶構造に基づく原子位置を表示し,蛋白質の結合部位の理解に役立ちます.
Hermes の特徴:
- 読み込み可能ファイル:PDB file, mol2, mol, contoured surface .acnt.
- リボン,wireframe, spacefilling表示への自由に切り替え
- ドッキング結果の解析に最適
- リガンド分子の編集
- 印刷用高解像度のイメージ作成
- その他,CSD-Discoveryのプラットフォームとしても利用

IsoStar
IsoStar は,実験値に基づく非結合相互作用のデータベースです(一部理論値を含む).ドラッグデザインに関わる人には有用な情報が含まれています.
IsoStar の特徴:
- CSD と PDB から抽出される非結合接触情報
- 接触グループ,中心グループを選ぶためのウェブブラウザによるフロントエンド
- 分散プロットを瞬時に表示
- ユーザーの定義したレベルによる等密度線表示
- CSD および PDB の元データへのハイパーリンク

Mogul
Mogul は,実験値に基づく分子内ジオメトリーのデータベースです.CSD のデータを基に結合距離,結合角度,ねじれ角などのヒストグラムを簡単に表示することができます.お手元の分子構造と Mogul ヒストグラムとの比較にとどまらず,構造未知の分子ジオメトリーを予測することが可能です.Mogulは,CCP4 の Coot, Global Phasing の Grade, BioSolveIT の TorsionAnalyzer,リガクの PDXL 等リンクしてお使いいただけます.
Mogul の特徴:
- 実測データに基づく,ヒストグラムの素早い表示
- 多様な読み込みファイル (MOL2. CIF, PDB, RES)
- コマンドラインを使った batch モード対応も可能


WebCSD
WebCSD は,on-line ポータルとして web ブラウザーからプラットフォームを選ばずに手軽に CSD のデータにアクセスするためのツールです.テキスト検索,2D 構造式からの検索が可能です.ConQuest よりもデータ更新が早く,また計算で求められた結晶構造も non-CSD Structure として収録されています.


マニュアルなど
CSDに関する資料を閲覧いただけます.アカデミック利用の方へ
大学・教育機関向けには, CSD-Enterpriseとして大阪大学蛋白質研究所から配布しております.アカデミック・ライセンスについてのお問い合わせ,お申し込みは下記へお願いいたします.申込みの流れについては,こちら (PDF) をご参照ください.
冨田 里江 (8:30-17:15 勤務)
大阪大学蛋白質研究所
蛋白質結晶学研究室
〒565-0871
吹田市山田丘3番2号
TEL : 06-6879-8605
FAX : 06-6879-8606
イベントのお知らせ
学会出展やイベント協賛のお知らせです.出展会場では,リーフレットの配布やデータベースのデモを行っておりますので,お気軽にお立ち寄りください.
【今後の予定】
なし- CCDCでは,定期的にwebinarを開催しております.内容は,ソフトの活用法,新機能の紹介,開発計画など.無料で参加でき,また録画版もご覧いただけます.詳細はこちら.