CSD-Frameworks
CSD-Frameworksは、MOF (Metal-Organic Framework、金属有機構造体) などの多孔性材料の研究開発や材料設計に有用な、結晶構造データおよび各種検索・解析ツールを提供します。
CSD-Frameworksは、CSD-CoreとCSD-Materialsから、多孔性材料開発向けに厳選されたツールのパッケージです。定番のConQuestとMercuryに加え、CSD-MaterialsのSolid Form解析ツールのうち、以下がご利用いただけます。
Motif Search:指定した motif を持つ構造を検索
Crystal Packing Feature:類似の packing を検索
Crystal Packing Similarity:類似構造の重ね合わせ表示
Hydrate Analysis:水和物の解析
Solvate Analysis:溶媒分子の解析
紹介動画
本動画含む、CSD-Frameworksの一連の操作説明はこちら
【注意】 CSD-Coreに含まれ、CSD-Frameworksに含まれていないツール:IsoStar、Mogul、Hermes
CSD-Frameworksが提供するデータ
- Cambridge Structural Database (CSD):130万件以上の結晶構造データベース
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CSD MOF Subsets:CSDに含まれる、12.8万件以上のMOF様構造データセット
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CSD MOF Collection:重複するフレーム、溶媒およびゲスト分子を除去、さらに、欠損があれば水素を追加など、下処理なしでHTSに利用できる、1.3万件以上の高品質な3D-MOF結晶構造データセット
※ 本データセットは、CSD-Frameworksのみに付属しています。他の製品ではご利用できません。
CSD-Frameworksの機能
- 高度な可視化と分析:ボイド空間、細孔構造および分子の次元性などの結晶構造を調べます。対称性の変更や構造特性の分析も簡単に行えます。
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効率的なデータマイニングと検索:化学結合性、配位子または官能基に基づき構造を同定します。ツールを用いて類似構造体を見つけ、新しい材料設計へ導きます。
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統合された粉末回折機能:単結晶構造から粉末回折パターンをシミュレーションし、比較することで、実験データを効率的に検証します。
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溶媒およびゲスト分子の分析:細孔構造内のゲスト分子を定義し、分析します。吸着試験のための溶媒アクセス可能体積を計算します。
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CSD Python API:自動検索による大量データの読み込み、自動編集・解析などが行えます。CSD GitHub repositoryからのダウンロード、またはご自身でCSD-driven分析やワークフローの構築が可能です。
CSD-Frameworksは、どういった材料の開発に活用できますか?
- ガス貯蔵材料
- 炭素および湿気捕捉材料
- 液体およびガス分離材料
- 薬物徐放材料
機能一覧(企業向け)はこちら。
CCDCのBlogより:What Is Stopping MOFs Being More Widely Used?
MOFは、金属中心 (または金属クラスター) と多座有機配位子から構成される多孔性機能材料で、 1995年にUCLAのYaghi教授が提唱した化合物です。PCP (Porous Coordination Polymer、多孔性配位高分子) とも呼ばれます。
MOFは、その細孔のサイズおよび特性を自由に調整できることから、ガス吸着および分離、エネルギー貯蔵および変換、触媒、センサー、薬物徐放剤など、様々な用途が期待されています。しかし、現在その開発のスピードは遅く、世界のMOF市場の成長を鈍らせています。この状況を克服する上で達成すべき課題として、① 再現性の高いMOF合成法の開発、② (細孔) 構造と特性との相関の理解、および③ 低コスト、大規模かつ環境にやさしいMOF製造法の開発、などが挙げられます。
これらの課題に取り組む手法の一つとして、MOF研究におけるAIと機械学習の統合が有望です。そして、学習モデルの構築とトレーニングには良質なデータベースが不可欠で、こうして完成したモデル(群)が、より良いAI予測を可能にします。
オリジナルのBlogはこちら。
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